つねに安全運転を。
公共交通の使命を共有
いま、社員教育に動画を採り入れる企業さまが増えています。埼玉県川越市のバス運行会社・イーグルバス株式会社さまも、その一例。公共交通を担う社会的企業の一員として、ドライバーの啓蒙に動画を最大限活用されています。
ここでは、そんなイーグルバスさまの社内安全教育について、ご紹介しましょう。
充実した研修制度が
不可欠な公共交通
動画の活用で、
立体的な安全教育を実現
イーグルバスさまの沿革を教えてください。
イーグルバスは、1980年に地元・川越に創立されたバス運行会社です。当初は企業さまの送迎業務が中心でしたが、10年ほど前から路線バスにも進出。現在は、蔵の街・川越にちなんだ「小江戸巡回バス」や、羽田~川越間のエアポートリムジンなど、多彩な路線を擁した営業展開で地域の皆さまに貢献させていただいております。
もともと、社内教育はどんなシステムで行われていましたか?
イーグルバスでは、入社1年の間に三ヶ月・六ヶ月・一年と、三回の研修を行っています。内容は多岐に渡るのですが、主にはマナー研修、安全に対する意識向上、それに社会的企業に携わる人間としてのマインド形成に重点を置き、教育を行っています。
これまでの社内教育で、課題と感じていた点はありますか?
そうですね、内容的には運転レベルに合わせた接客や技術指導、そして評価が基本のため、座学が中心です。このため、かなり「受身」の教育が多かった一面があります。それゆえ、どれだけ指導側の思いが伝わっているか、その点での課題意識はありました。
自社制作を試みるも
難易度が高く…
社内で動画を作ったことも
ありましたが…
教育素材として、映像を使用されていましたか?
はい、実は以前、社内オリジナル制作で研修動画を制作したことがあります。これは講義内容に立体性を持たせるためトライしたもの。が、やはり制作のプロではないため、形としてまとめるのに大変苦労しました。結果としても、苦労しただけに愛着のある作品にはなりましたが、客観的な教育効果は未知数だった印象が色濃いです。
また、会社案内用の動画制作を業者さんに依頼したこともあるのですが、とにかく値段が高かった。100万円以上かかり、内容は無難な感じとでも申しましょうか。インパクトやテーマのフォーカス感に関しては、伸び代ある作品だったように思います。
最近、もっとも力を入れている教育は、どんなことでしょう?
以前にも増して「安全教育」に力を入れています。その軸となるのが「5つの基本動作」。具体的には、●あいさつの励行、●制服制帽の完全着用、●輪留めの実施、●指差喚呼、●車両美化。中でも「指差喚呼」は、安全に直結する最重要項目として教育しています。
動きも含めて見せて
初めて理解できる
言葉だけでは伝えきれない
情報がある
具体的にどのような教育を行っていますか?
実は今回、新規に教育用映像を作成しました。それが、くすのき台エージェンシーさんに依頼した作品です。やはり、実際のバスの動きであるとか、外から見た動態など、映像でしか表現し得ない内容があると感じていたからです。
たとえば、バック入庫は大切な教育ポイントなのですが、これを「言葉だけで」解説するには限界がある。また、図やイラストである程度まで表現はできるんですが、実際の映像にはかなわない。「具体的な絵」による実演映像は、一目瞭然で分かりやすいですから。
また、指差喚呼の説明にしても、確かに言葉で解説や説得はできます。が、それをイメージとして効果的に印象付けられるか、となると話が別。受動型で聞く立場になって考えると、理屈だけでは全体像を把握しづらい。 この点も、映像ならより短時間に、効果的に、かつ印象に残る形で情報を伝えられると思います。
なるほど。映像の活用が教育のかなめというわけですね。
そうです。また、教育用映像のもうひとつのメリットとして「一度制作すれば、何度でも活用できる」点も見逃せません。先のバック入庫もそうですが、模範的な実演映像を何度も繰り返して勉強できる。かつ、何年にも渡って、いわゆる「お手本例」として提示できる。そういう意味では、効果は最大・コストは最小という、管理側として大変ありがたい形を踏襲できるといえます。
一度作れば
ずっと活用できる
多角的で立体的。
見ていて飽きない完成度
今回制作された作品は、テーマが3つに分けられますね。
はい。●安全への取組み、●指差喚呼、●バック入庫。以上の3段落に分けられます。実際の作品も、DVDでチャプター区切りしてあり、分割活用できるようになっています。
最近、もっとも力を入れている教育は、どんなことでしょう?
やはり「指差喚呼の実演映像」と「バック入庫シーン」でしょうか。先にも述べましたとおり、実演映像をそのまま見れることのメリット。これは実際に体験して間違いないことだと確信しました。
特にくすのき台エージェンシーさんの制作映像は、さまざまな角度からのショットが効果的に、多角的に編集されており、見ていて飽きない。かつ、大変具体的で分かりやすい。私は制作の専門家ではないのでうまく説明するのが難しいのですが、とにかく立体的にテンポよく、洗練された内容にまとめあげている…。完成映像の第一印象として、そのように感じたことを覚えています。
さまざまな角度からの映像は、興味も引くし理解度も深まりますね。
はい。さらに、映像のもうひとつのメリットとしては、伝えたい内容をより具体的に表現できる部分かと思います。
たとえば、ひとことで指差喚呼といっても、そのやり方・理念を「根性論的に」伝えても、やる気も興味も喚起されないわけです。が、実際に映像で身近なシチュエーションで再現すると話が変わってくる。
「あ、この映像はあそこの道路だ」と認識するだけでグッと興味を引くものなんです。また、一般論として概念を伝えるのではなく、あくまで当社の現場に即して、その実地で実演し収録する。これがより具体的、かつ深い理解を促進する大きな要素になっていると思います。
今後のイーグルバスさんの教育目標を教えてください。
先日、静岡県にある某バス会社さんの研修を見学させていただきまして、大変感銘を受けました。当社も教育にはかなり力を入れていますが、そちらさんではさらに情熱的な教育が行われていたからです。 今後は、そういった他社さんや他業種さまでどのような教育が行われているか、またどのような手法が有用かも含め、どんどん勉強し採り入れていきたいですね。
実は今回制作した研修動画も、そういった一面があります。通り一遍のことしかしていない会社さんとは一味違うぞ、ここまでやっているぞという対外的なPRにもなります。
また、制作の中でさらに教育内容を研ぎ澄まし、練度を高められるという一面もありました。その点でも、自社の教育内容に映像を採り入れることは、物理的メリットはもちろん、内容的な点でも想像以上の効果があったと認識しています。
まさにその通りですね。お忙しい中、ありがとうございました。
ドライバーの安全意識が要。
映像でその志をブラッシュアップ
イーグルバスさんは、公共交通という社会的使命の高い業務を行っている企業さま。それだけに、乗客の命と生活を担うドライバーさんの安全意識は大変重要。むしろ、それこそが「品質」「商品」といっても過言ではないでしょう。 そのもっとも大切な部分を啓蒙するため、動画は絶大なる力を発揮。優秀な素質を持ったプロドライバーの方を細かくケアし、教育する。それによって安全品質・業務品質を根本からブラッシュアップしていく…そこには、理屈を超えた伝達力を持つ「 映像ならではの力 」が生きています。これまでも、これからも。地元・川越になくてはならないバス会社として、イーグルバスさまはさらなる飛躍を続けていくことでしょう。