社史は動画で残す。
そのための留意点
記念行事で再生できる。頒布アイテムとしても魅力的…。いま、社史は「動画」で作るのがトレンドとなっています。書籍の社史を軸にしながら、同時に映像も作成する。そのために留意すべき点は何か。また、書籍とは何が違うのか。社史動画、DVD社史をつくるためのポイントを解説します。
周年記念の動画とは
周年記念の動画とは
アニバーサリーを祝福する記念式典。幾多の苦難を乗り越え発展を手にした経緯、それはまさに「会社の歴史」。イベントではこのヒストリーご紹介がメインテーマになります。
同時に、クライアントの皆さま、協力会社の皆さまに感謝の意をお伝えする…これも大事な要素。
こうした目的達成のため、式典ではおみやげとして「社史」を頒布するのが定番です。
そして今、社史は書籍から動画へとその形を変えつつあります。
文字だけでなく「動画で」表現することで、伝わる力が段違いに変わってくるからです。
さらに「ノベルティ」としての観点からも、書籍から動画へと、社史のトレンドが移行しつつあるのをご存知でしょうか。
多少ネガティブ視線になりますが、書籍の社史は実は「ノベルティ」として人気がありません。というのも、書籍社史を受け取った列席者の多くは「…これ、持って帰らなきゃいけないんだ」という印象を持つからだそう。
これは、書籍が分厚ければ分厚いほどそうらしい。何しろ「重い」ので(笑)。
確かにそうですよね、時間を割いて列席した挙句、 お荷物まで運ばなきゃならないとなると、 物理的にはもちろん、精神的にも辛いものがあります(笑)。
翻ってDVD社史。洗練されたパッケージのDVDなら、「あ、何かトクした」という印象が強く残ります。ここが、書籍社史とDVD社史の大きな違い。無論、圧倒的に「軽い」です(笑)。
これこそが、社史をDVDにするメリット。ゆえに記念式典のノベルティとして 「DVD社史」は書籍よりも人気があるわけです。
社内制作は、とっても大変…
社内制作は、とっても大変…
予算の関係上、社史動画を社内で制作する動きもあるでしょう。最近はパソコン1台あれば、ほとんどの制作ができます。それゆえ、社長・上長の命令で(笑)、社内制作を考える会社さんもあるようです。
ですが、これが大きな落とし穴。確かに社内で制作すれば、その分「経費」は浮きます。が、よくも悪くも「プロではない」方が制作することになります。となると「第三者にお見せするものに、品質の保証が特にない」ことになります。だとしたら、これはあまりよろしくはありません。
言い換えれば、お客さまにアメニティを提供することより「自社の財布事情」を重視することになります。
せっかく感謝の気持ちを伝えるべく設定した「記念の日」。本末転倒な結果だけは避けたいものです。
世の中になぜ、プロフェッショナルがいるのか。それはプロにしかできない、高い完成度があるからです。プロに制作を委託することは、いわば「品質を保証する」ことでもあります。
大切な目的のためには、それにふさわしい計画と行動を。その第一歩が「プロによる完成度」を用意することです。
業者の選び方
業者の選び方
現在、委託先をネットで探すのは普遍的な方法。このとき、ホームページからどのくらいの情報を得ることができるでしょうか。
今回記事で登場されているアイクス税理士事務所さまでは「動画サンプルが掲載されていること」「価格が明示されていること」の2点に、取捨選択の条件を設定されました。
これは大変重要です。サンプルが掲載されているのは、いわば実績のエビデンスですし、価格が明示されていることも発注側として重要なポイントです。
一方で、アイクス税理士事務所さまが重視していた、もうひとつの「視点」があります。それが「ホームページの印象」でした。
ページのつくりがチープな会社は避けた、とのこと。鋭い着眼点といえます。
会社さんによっては「制作内容とその他の要素を混同しないでほしい」と
主張されるかもしれません。が、我々は「一事が万事」の認識を強く持っています。
会社の顔とも言うべき「ホームページ」。これがずさんで平気な会社。これは、制作に対する美意識、ひいては「仕事に対する美意識」に重大な欠落があると思います。
こうした感性は、確実に制作結果に現れます。そして、アイクス税理士事務所さんはそのあたりを鋭く見抜いていました。
ホームページから得られる印象は、おそらく正しい。それがネットで業者を探す際のひとつのガイドラインといえます。
サンプル動画で全てが分かる
サンプル動画で全てが分かる
映像制作を主業とする会社が、ホームページに作例を載せていない場合。ちょっと不思議な感じがしますね。言ってみれば「展示車両のないカーディーラー」といったところでしょうか。
やはり、検索する側として必須なのは「サンプル動画」。これがあってこそ、具体的に検討する材料たりえます。そしてサンプル動画で、求めるテイストがあるかどうかをチェックしてみましょう。
価格重視であれば、さほど質を気にすることもないでしょう。一方、テレビ番組クラスの完成度が欲しい場合、それに見合うクオリティの会社を選べばよいと思います。
加えて強調したいのは、映像から受ける「全体的な印象」。
何か違う、と「直感で感じた」場合。その予感はほぼ当たります。
まずは自分の感性に合致するページ。これを探すのが、ネット検索で業者を探す場合のこつです。
シビアに見極めたい制作価格
シビアに見極めたい制作価格
これまで「動画制作はお金がかかる」、これが常識でした。なぜなら、制作機材がめちゃくちゃ高額だったから。数千万円の編集機材と数百万円のカメラが必須でした。
ですが、すでにその概念は覆されました。十数万円のパソコン、50万円程度のソフトウェア、それに100万円前後のカメラがあれば、制作は最後まで完遂できます。もちろん「優秀な現場スタッフ」が、何より重要ですが(笑)。
ともあれ、極論的には「パソコン1台」で全てできてしまう。であれば、やり方次第で圧倒的コストダウンができます。
逆に、お金をかけようと思えばいくらでも掛けられるのも事実。
だからこそ、「どんなものを作るか、どんな質が必要か、予算はどのくらいまでか」。これを明確にすることが重要です。
イベントで余興的に再生するものに数百万円の予算、は行きすぎですし(笑)、
逆に テレビでオンエアするものに対して十数万円の予算で「質」に見劣りがします。
要は「求める質」と「予算」を明確にすること。これが、ボッタクリに逢わないための「提示事項」。これを提示しないと、業者は際限なくお高い見積りを提示してきます。
単なる記録映像収録にXDCAM ENG&放送用レンズを使用したり、指定もしていないのに編集をリニアで行なってスタジオ費を加算してきたり。
こうしたことを防ぐためにも、ぜひ上記二項目の明確な提示をおススメします。
ちなみに当社では、そんなボッタクリは一切行なっておりません(笑)。あくまで明確な数的基準のもと、単純な「足し算」でお見積りをしています。なので、十分ご安心いただければ幸いです。
完成までの道のり
完成までの道のり
制作を外注するとき。どんな資料を用意しどんな準備をしておけばよいのか…分からないことだらけだと思います。
会社さんによっては、台本まで準備されたり、絵コンテまで切ったり。いろいろ工夫をされているようです。
が、一番重要なのは「内容」。この部分で迷われる会社さんは多い。特に社史動画は、長きに渡る会社の歴史を、どう短くまとめればよいか…途方にくれるのも理解できます。
そんなときこそ、業者に相談してみましょう。
社史をまとめることに長けた会社なら、いかに歴史を集約し、ひとつの作品にしていくか。その取りまとめを、あっという間にご提案します。
今回のアイクス税理士法人さまの場合、ご依頼から完成までが30日程度。加えて、最終撮影が完成の4日前という状況。
タイトなスケジュールでも、ベストなソリューションを提示してくれる。それができてこそのプロフェッショナルです。
いずれにせよ、依頼するかしないかは別。まずは「相談してみる」。
これが、さまざまな課題を解決するためのキーワードです。
画面デザインは重要
画面デザインは重要
社史動画というと、どこか重厚なイメージがあるかもしれません。ですが、楽しく鑑賞でき、「印象に残る」ことこそ大事。そのための演出が必須です。
その観点から、社史映像を研究してみましょう。
一般に社史映像は、昔の写真を軸にナレーションで説明する、こうしたスタイルのものが多い・・・。
それがいけないわけではないのですが、感想の大多数は「お説教みたい」「長く感じた」「何が言いたいのかわからない」「眠くなった」などなど…厳しいものばかり。
当社では、そのような社史動画は作っていません。あくまでも「テンポよく、楽しく、明るく」をテーマに作成しています。
当社作品の特徴として「テキストフォローを反映している」点が挙げられます。
これは話者の言葉をテロップで表示するもの。何の変哲もないように感じますが、これがあるのとないのでは見る側への神通力が「天と地ほども」違ってきます。
人は、画面に文字が映ると「無意識に目で追ってしまう」習性がある。
つまり、テロップが入ることで視覚的な理解度を飛躍的に促進させることができます。
このように、当社では映像的なこだわりはもちろん、グラフィックデザイン的要素も重視しています。
無論、フォント・テキストに対する造詣・研究も深く追求。単なる制作映像で終わらせないこだわりを持ち、取り組んでいます。
社史動画を制作する意義
社史動画を制作する意義
動画社史は「社外の方に見てもらう」ことが目的。一方で「社内的にも意義がある」ことをご存知でしょうか。
俗に、健全な経営基盤を持つ企業は、人員数構成比が「スマートなピラミッド型」を形成する、といわれます。つまり、会社にはお若い方が多い。
ということは、長きに渡る会社の歴史をくわしく知る人が少ないわけです。
こうしたお若いスタッフに、社長の理念、会社のなりたちを分かりやすく伝える。動画社史なら、それが可能になります。
当社も、イベントで社史映像を再生する場面に立ち会うことがあります。
そこで目にするのは、想像以上に楽しそうに、面白そうに、そして興味深そうに映像に見入っている社員の方々…。
また、制作を外部委託する場合も社内に制作委員会を設け、担当者が渉外を担当します。この中で、社内資料の整理・取りまとめ・撮影の立会いなどを行ないます。
こうしたプロセスで、会社に対する愛着がはぐくまれていきます。この効果を見逃す手はありません。
動画社史を制作する。これは、社内的にも社外的にも効果が大きい。留意しておいて損はないと思います。
社外視点がとても重要
社外視点がとても重要
式典やイベントで再生される「社史動画」。そこには、パブリックな立ち位置と語り口が必須。このためには、第三者が制作に介入した方がいいと思います。
なぜなら、社内的な立場を維持しながら作品を組むと客観的な構成を実現できないからです。
それはそうですよね、担当者には上司もいれば社長もいる(笑)。それらの方々が検閲の目を光らせているわけですから、なかなか「その要素は主題的に不要なのでは?」とか、言えっこない(笑)。
ここで重宝するのが、第三者的立場である外部委託業者。社内的に言いにくいことも、(言葉は悪いですが)外部業者のせいにして決裁者に伝えればよいわけです。
…まぁ、上記はかなりネガティブな分析でしたが(笑)、いづれにせよ、第三者による冷静な分析は必須です。こうした視点と着眼点あってこそ、伝わりやすい動画の作成が可能になります。